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血液型検査のウラ検査で余分な反応があった場合には

 
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この記事は、普段あまり輸血検査を行わない臨床検査技師向けに書いています。

 

血液型検査で、以下のようなオモテ検査とウラ検査が不一致になることがあるかと思います。

抗A 抗B 抗D Rhコントロール A1血球 B血球
4+ 0+ 4+ 0 1+ 3+

このような結果になった場合にはどうしますか?すぐに輸血をしなければいけなくなった場合には、何型を輸血しますか?

考え方について

オモテ検査がA型で、ウラ検査がO型でオモテ検査とウラ検査が不一致を示します。

①オモテ検査のA型が正しいとするならば、ウラ検査のA1血球の1+の凝集が余分な反応になります。

②ウラ検査のO型が正しいとするならば、オモテ検査の抗Aの4+の凝集が余分な反応になります。

どう考えても②の抗Aの4+が余分な反応とは考えにくいですよね。そうすると①のA1血球の1+が余分な反応ということになり、この余分な反応は何かということになります。

この原因を明らかにしなければ、血液型を確定することはできません。

この余分な反応から何が考えられるのか?

この余分な反応は、①不規則抗体・②自己抗体・③亜型・④連銭形成などが考えられると思います。

私の経験から言えることは

私の経験から言えば、上記のようなオモテ検査とウラ検査が不一致になった場合の大部分は不規則抗体によるものです。なので、不規則抗体検査(抗体スクリーニング)から実施することをお勧めいたします。

この抗体スクリーニングで凝集があればA型と予想できますので、A型で交差適合試験を行い陰性であれば輸血しても問題はありません。

緊急輸血をしなければいけない時には

オモテ検査とウラ検査が不一致の場合で、血液型が確定できない場合にはRBCはO型、PCやFFPはAB型を輸血するようになります。

しかし、今回のような場合には抗体スクリーニングの生食法をやれば余分な反応が不規則抗体によるものであることが予想できますので、すぐに交差適合試験ができるのではないでしょうか?

抗体スクリーニング血球がない施設では?

輸血療法を行っている施設であれば、抗体スクリーニング用血球は常備しておく必要がありますので、ぜひ購入することをお勧めいたします。

しかし、購入したいけどできない施設もあるかと思います。そのような施設では、ウラ検査を加温してみてください。加温して凝集が消えればA型で交差適合試験を行い、適合になれば輸血して問題ありません。

私の考えについて

オモテ検査とウラ検査が不一致の場合は、血液型が確定できないことが多いと思いますが、確定できなくても37℃での反応性を調べることによって輸血はできます。

これは私の考えですが、O型のRBCを使用する時はほんとうに輸血する血液型が分からない時や緊急輸血で血液型を実施する時間さえもない場合だけと思います。

不規則抗体とした場合には

皆さんご存知のとおり、不規則抗体検査いわゆる抗体スクリーニング(生食法)を実施します。これで、どれかの血球に凝集があれば不規則抗体の可能性がありますので、同定検査を実施して同定を行います。

多くの場合は冷式抗体で、抗P1・抗Lea・抗Leb・抗M・抗Nなどが考えられます。

自己抗体とした場合には

上記と重複しますが、抗体スクリーニング検査で自己対照も一緒に検査すると思いますが、その自己対照が凝集すれば自己抗体ということになります。

自己血球による吸収試験

自己抗体の場合に一番問題になるのが、自己抗体に隠れた臨床上重要な同種抗体です。

Pegで吸収する方法もありますが、Pegだと何でも吸収してしまう恐れがありますので、私はブロメリン処理自己血球での吸収をお勧めいたします。

亜型とした場合には

亜型とした場合には、A2やA3、A1Bx、A1Belなどが考えられると思います。手っ取り早いのは、レクチンとの反応をみることです。

抗A1レクチン(-)の場合

抗A1レクチンが(-)だった場合には、A型の亜型ということになります。抗Hレクチンの反応は、普段のA型の凝集よりも強くなります。

抗A1レクチン(+)の場合

抗A1レクチンに凝集がくればA型の亜型は否定され、AB型の亜型が疑われますので抗Bによる吸着解離試験を実施します。

連銭形成とした場合には

連銭形成とした場合には、抗体スクリーニングで自己対照を含めてすべて陽性となります。

昔は、生食を1滴落として凝集が消えれば連銭形成を予想できたものですが、現在ではこのような方法は認められていません。あと、追加試験をするとすれば顕微鏡で連銭形成を確認する方法もあります。

また、連銭形成であれば試験管法でクームス法まで行えば陰性になります。

抗体スクリーニング検査が陰性の場合には

ただ注意していただきたいのが、上記のようなA型と思われる場合で抗体スクリーニングが陰性だった場合には、抗A1という可能性もあります。抗A1だと抗体スクリーニング検査は陰性になります。

一番理想的な検査を行うのであれば、A2血球を併用して検査することですが、A2血球を常備している施設は少ないのではないでしょうか?

輸血では、この抗A1が37℃の反応性を示せばO型輸血になり、37℃で反応しなければA型輸血となります。

まとめ

余分な凝集で、オモテ検査とウラ検査が不一致になった場合の考え方と対応策をまとめました。

まず、ほとんどの場合が不規則抗体が原因であること多いですので、抗体スクリーニングの生食法を実施するか、ウラ検査を加温しましょう。

抗体スクリーニングで凝集があれば、又はウラ検査を加温して凝集が消えればA型を輸血しても問題ありません。

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