あなたの笑顔と健康のために臨床検査技師(検査のプロ)が医療に関することをお届けいたします

臨床検査技師に関する法律の改正

2018/08/10
 
この記事を書いている人 - WRITER -
あなたの笑顔と健康のため検査のプロがお届けしています。 このブログは、医師・看護師・管理栄養士・診療放射線技師などから助言をいただきながら運営しています。
詳しいプロフィールはこちら

臨床検査技師の検体採取について

臨床検査技師という職業をご存知でしょうか?

あなたやあなたの家族が病院を受診された時に、採血や血液検査、心電図、超音波検査などを行っているのが臨床検査技師で国家資格になります。

 

平成27年4月より臨床検査技師等に関する法律の改正で、臨床検査技師の業務に検体採取が新たに追加されました。

 

病院で実際に検体採取を行う場合には、指定講習会(2日間)を受講し、 修了証書を受理することが必要になります。

 

しかし、平成30年6月現在での受講率は60%と低迷しています。どうして、こんなに受講率が低いと思いますか?

 

私なりの考えですが、1つは必要がないから、2つ目にはお金がかかるからです。

受講率が低迷している理由は?

今回の検体採取を行うためには指定講習会を受講する必要があります。

 

この指定講習会を受講するためには日本臨床衛生検査技師会の会員で10,000円、非会員は30,000円が必要になります。

 

開催地は九州の場合では福岡県で開催されていますが、遠方から参加するには受講料の他に交通費や宿泊費も必要になります。

 

また、全ての臨床検査技師が検体採取の業務を必要としていないのです。臨床検査技師の中には検査センターというところで働いている検査技師もいれば、病院で働いていても今回の検体採取に直接かかわらない技師もいます。

 

必要がないのにお金を払ってまで受講しようと思わないので、受講率が低迷していると考えられます。

検体採取業務追加の背景について

今回の業務追加は今後の社会保障制度改革の1つであり、団塊世代の後期高齢者が増加することが予想されています。

 

それに合わせたチーム医療への参画および医師や看護師の負担軽減による業務分担でもあります。

検体採取の主な内容について

検体採取の主な内容は、皮膚表在組織の病変部における検体採取、糞便検査における検体採取、インフルエンザなどにおける検体採取、味覚・嗅覚(きゅうかく)検査です。

 

当院では、上記のインフルエンザの検体採取と皮膚表在組織病変部の検体採取(真菌検査)を主に行っています。

表在性真菌症と深在性真菌症について

皮膚真菌症は表皮性と深在性に分類され、原因菌の種類により病名がつけられています。

 

角質層(皮膚の表面の皮膚組織)を寄生の場とする真菌症を表在真菌症といい、白癬・皮膚カンジダ症・癜風(でんぶう)があります。

 

深在性は真皮(表皮の下の層)を寄生の場とする真菌症で、スポロトリコーシス・黒色真菌症・クリプトコッカス症などがあります。

 

大部分は表在性皮膚真菌症で、深在性皮膚真菌症は0.1%以下です。表在性皮膚真菌症で最も多いのが白癬菌です。その内の約6割を占める足白癬は5人に1人、爪白癬は10人に1人が罹患するといわれています。

 

カンジダ症では、オムツをしている場合や肥満による中年女性の胸の谷間など高温多湿な部位に見られます。

真菌検査について

真菌検査は、菌がいそうな皮膚や毛、爪などを少しピンセットなどで軽く削り取ったりして、スライドガラス上や試験管の中で20%水酸化カルウム液を用いて溶かし、顕微鏡で観察します。

 

この検査をKOH検査または直接鏡検と呼び、菌が認められたら診断は確定します。

 

真菌症のように見えても湿疹であることも多く、また菌が認められない場合には再検査を行ったりもします。

 

速やかな診断と高い検出率のため、菌がいそうな場所からの採取が重要となり、熟練の技が必要となる検査で臨床検査技師の腕の見せ所です。

 

今後は真菌検査だけではなく、他の検体採取を行う機会が増えてくることが予想されます。

  まとめ

平成27年4月に臨床検査技師等に関する法律の改正で、臨床検査技師の業務に検体採取が新たに追加されました。

 

しかし、講習会費・交通費・宿泊代が必要で、なにより臨床検査技師の中には検体採取業務を必要としない技師がいるため受講率が低迷していると考えられます。

この記事を書いている人 - WRITER -
あなたの笑顔と健康のため検査のプロがお届けしています。 このブログは、医師・看護師・管理栄養士・診療放射線技師などから助言をいただきながら運営しています。
詳しいプロフィールはこちら

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Copyright© 笑顔と健康の架け橋 , 2018 All Rights Reserved.