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採血した血液検査の結果はいつ分かる?

 
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お腹の痛い時や入院される時には、必ずといってよいほど採血をされますが、その採血された血液はその後どうなるかご存知でしょうか?

受診された医療機関の規模や検査項目にもよりますが、あなたの大事な血液は院内検査外部委託に分けられます。

院内検査と外部委託では、結果がわかるまでの時間が違ってきます。

院内検査と外部委託とは?

院内検査とは、その名の通りその医療機関内で行われる検査になります。外部委託とは、民間の検査センターに委託される検査になります。

どうして院内検査をしないのか?

すべての血液検査を院内検査しない理由は、コストにあります。月に数件しか出ないような検査項目では、外部委託にした方が赤字になりません。

また、月に何百件もでる検査項目は、院内検査した方が利益がでます。

「えっ!病院がそんなお金のこと考えるの?」っていう声が聞こえそうですが、病院も一企業ですので赤字になったら困ります。私を含めた医療スタッフは、お給料をもらえなくなります。

院内検査と外部委託に分ける時?

院内検査にするか外部委託にするかは、普通の企業と同じでコスト計算します。

当院の場合にはその検査を担当する臨床検査技師が、院内検査しようとする検査項目の試薬の仮納入価を調べて、月あたりの件数で割って1検体あたりのコストを出します。

それと同時に外部委託した場合の仮見積もりを委託先に提出してもらい、先ほどの1コストと比較します。

そして、どちらが安いのかを判断して安い方にします。

コスト計算する場合には、複数の試薬問屋さんや複数の委託先から概算見積もりを出していただくことを基本としています。これは当然のことで、2社ぐらいに競わせた方が安くなります。

そして、用度課にバトンタッチします。今度は用度課が、「もう少し安くできないの?」って迫り、さらにコストダウンさせます。

院内検査のメリットとデメリットは?

院内検査のメリットは、何と言っても院内で検査するため結果が早くでます。また、院内処理をした方が担当の臨床検査技師が勉強をするためレベルが上がります。

また、デメリットは外部委託するための依頼書などの事務的仕事が増えることです。また、検体数の少ない検査を行うと赤字になります。

外部委託のメリットとデメリットは?

メリットは、検体数の少ない検査を行うことができます。

デメリットは、結果が分かるまでに時間がかかります。

院内検査と外部委託の時間差は?

院内検査と外部委託では、結果が分かるまでの時間にかなりの差があります。

院内検査での機器などで多少違いがありますが、一般的な肝臓検査や腎臓検査、心臓検査では、院内検査で採血から結果が分かるまでの時間は約30分です。

具体的な項目として、血糖、ALT、AST、ɤGTP、ALP、TP、ALB、BUN、CRE、CK、トロポニン、CKMB、AMY、LIPなどです。

腫瘍マーカーや甲状腺マーカー、感染症(HBs抗原・HCV抗体・HIV抗体)などは、約40~50分で分かります。

検尿検査では、検尿一般では提出されてから2~3分、沈査まであると約10分はかかります。

不思議と思われるかもしれませんが、1項目であろうと10項目であろうが検査時間の差はあまりありません。なぜなら、自動分析機という機械で処理するからです。

これが、外部委託になると1~2日はかかります。そうすると患者んは、結果を聞きにまた来院しないといけなくなります。

採算を度外視しても院内検査する?

赤字であろうが採算を考えないで院内検査する項目もあります。それは、どういう項目かというと医師が診察までにこれは知りたいという項目です。

たとえば、輸血検査やインフルエンザ検査、ワーファリン検査のPT、細胞・病理検査などです。

当然、輸血は直ぐに行わないと患者さんの状態が悪化してしまいます。

インフルエンザ検査は、それだけで処置が変わってきます。PTはワーファリンの効き具合をみる検査ですので、診察の時に分かっていないと困ります。

細胞・病理検査では、摘出した臓器に悪性腫瘍があるのかどうかなど、後から分かるより今分かったほうがよいに決まっています。

余談ですが、当院では血液が固まる(血栓)前から上昇してくる「FM」という項目を赤字度外視で院内検査しています。たしか、毎月十万円近く赤字になっています。

これは、整形外科の先生が骨折時での血栓(血液の塊)や手術後の血栓を早く知りたいということで院内検査しています。

足にある血栓が肺に飛んでしまったら、最悪亡くなることもありますので慎重に経過をみるために検査しています。

院内検査と外部委託はどちらが良いのか?

院内検査と外部委託とでは、どちらもメリットとデメリットがあります。個人的には、私は院内検査の賛成派です。

なぜなら、待つのは嫌でしょうが40~50分で結果が分かった方が良いと思いませんか?その方が、的確な診察も出来て患者さんにもかなりのメリットが出てきます。

それに、採血をして後日結果を聞くのであれば、その間不安でしかたありません。

また、臨床検査技師の雇用面でも大変助かります。

ちなみに、院内検査と外部委託では保険点数(検査をしていただける金額)は同じです。

まとめ

血液検査には、院内検査と外部委託検査があります。院内検査の方が結果が早くわかるメリットがありますが、検体数の少ない検査は外部委託にした方が安く検査できます。

しかし、中には採算を度外視してでも院内検査をする項目もあります。

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