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ピロリ菌は胃の中でどうして生きられるのか?

2018/10/15
 
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皆さんは、どこまで「ピロリ菌」のことについてご存知でしょうか?

今回は、胃とピロリ菌についてまとめてみました。

胃の中に生息するピロリ菌とは?

ピロリ菌は胃の粘膜に生息する細菌で、胃の粘膜に生息している「らせん形」をした細菌です。 胃には胃酸があるため、昔から細菌はいないと考えられていました 。

しかし、ピロリ菌の発見以来色々な研究から、ピロリ菌が胃炎や胃潰瘍などの胃の病気に深く関つていることが明らかにされてきました。

子供の頃に感染し、一度感染すると多くの場合、除菌しない限り胃の中に住み続けます。 ピロリ菌に感染すると炎症が続きますが、初期の頃には症状のない人がほとんどです。

胃の中には、食べ物の消化を助けるために胃液が分泌されています。 胃液には、金属でも溶かしてしまう強い酸 (塩酸)が含まれているため、胃の中は強い酸性 (PH1~ 2)で、通常の菌は生きることができません。

それではな ぜ、ピロリ菌は胃の中に生息できるのでしょうか?

ピロリ菌が活動するのに最適なPHは 6~ 7で、4以下では、ピロリ菌は生きられません。 ピロリ菌が産生してい る「ウレアーゼ」という酵素が胃の中の尿素を分解してアンモニアを作りだします。

アンモニアはアルカリ性のため、ピロリ菌の周りの胃酸が中和されて生きることができるのです。

ピロリ菌の正式名称は?

ピロリ菌は、オーストラリアのウォーレンと マーシャルという2人の医師によって発見されました。 ピロリ菌の正式な名前は「 ヘリコバクター・ピロリ」 (Helicobacter pylori)で す。

「 ヘリコバクター」の 「ヘリコ」は「らせん形」を意味する「 ヘリコイド」
からきた言 葉で、ヘリコプターの「 ヘリコ」も同じ意味です。

「 バク ター」は「 細菌」を意味する「 バクテリア」のことです。「ピロリ」とは、胃の出口の方をさす「 幽門」 (ゆうもん)の ことで、多くがそのあたりで見つかっていることに由来します。

つまり、ピロリ菌の名前は 「幽門にいるらせん形の細菌」 という意味なのです。

ピロリ菌の検査について

ピロリ菌の検査にはいくつかの方法があります。

尿素呼気試験法

吐き出された息によってピロリ菌の有無を調べる検査です。

  1. まず、最初に専用の検査パックに息を吹き込みます。
  2. 検査用の診断薬を服用して、体の左側を下にして5分間寝て待ちます。
  3. その後、15分間座ります。
  4. もう一度、専用の検査パックに息を吹き込みます。

この検査の注意事項は?

  • 空腹時での検査になりますので、朝食は抜いてください。昼から検査する場合には、昼食を抜いてください。
  • 専用の検査パックに息を吹き込む時には、鼻から息を吸って5~10秒ほど息を止めたあとにゆっくり息を吹き込みます。
  • 深呼吸をしてから息を出してはいけません。
  • 息を吹き込む時には、肺の中の空気を全部出すような感じで吹いてください。
  • 検査技師の説明をよく聞いてください。

抗体測定

採血をして迅速キットと呼ばれる検査薬で、血液中のピロリ菌に対する抗体の有無をを調べます。

糞便中抗原測定

便中のピロリ菌抗原という物質の有無を調べる検査方法です。

迅速ウレアーゼ試験

胃カメラをした時に、採取した粘膜を特殊な反応液に添加して反応液の色の変化でピロリ菌が持っているウレアーゼの有無を調べます。

その他

組織を培養する方法や、染色して顕微鏡で捜す方法もあります。

ピロリ菌の除菌について

ピロリ菌の除菌には、胃酸の分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬(PPI)と 2種類の抗生物質の3つのお薬が用いられます。 この3種類のお薬を一週間服用す ることで、約8割の方は除菌に成功すると報告されています。

つまり胃の中からピロリ菌は完全に消えてなくなります。 そして、場合に応じて胃の粘膜を保護する薬剤を併用します。

除菌後の判定の重要性について

除菌成功率は100%ではありません。 除菌治療は消化性潰瘍の再発を著明に抑制するすばらしい治療法ですが、 約2割程度の方は失敗に終わります。

失敗の場合には、消化性潰瘍の再発抑制効果が期待できませんので、 従来のお薬を飲み続けるか、再度除菌を行う必要があります。

除菌治療の結果により、その後の治療方法が大きく異なりますので、完全にピロリ菌が除菌されたかどうかを確認 することが重要です。除菌失敗例では、二次除菌が認められています。

その一方で除菌成功例では、ピロリ菌の再感染率(2~ 3%)は低いと報告されていますが、除菌後にも胃がんが発見されるなどの報告もありますので、 定期的に検査をしていく必要があります。

終わりに

最後に胃炎、胃潰瘍、 胃癌はピロリ菌除菌で発生を予防するすることが可能です。

胃の調子が今一の方は、一度病院を受診してはいかがでしょうか?

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