あなたの笑顔と健康のために臨床検査技師(検査のプロ)が医療に関することをお届けいたします

LDL-Cの目標値はいくら?

2018/10/19
 
スポンサーリンク
スポンサーリンク スポンサーリンク
この記事を書いている人 - WRITER -
あなたの笑顔と健康のため検査のプロがお届けしています。 このブログは、医師・看護師・管理栄養士・診療放射線技師などから助言をいただきながら運営しています。
詳しいプロフィールはこちら

心筋梗塞や狭心症といった冠動脈疾患の危険因子として脂質異常症や 高血圧症、糖尿病、肥 満、喫煙、家族歴等が広く知られていると思います。

その中でも脂質異常症(特 にLDL- C)と冠動脈疾患の関連を最近のデータからご紹介していきたいと思います。

 

脂質異常症とは?

脂質異常症とは、日本動脈硬化学会の 「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」では脂質異常症の診断基準として脂質3分画という検査項目で各々LDL-C≧ 140mg/dL、トリグリ セリド(TG)≧ 150mg/dL、 HDL-C<40mg/dLと定義されています。

なお、 本邦のガイドラインでは冠動脈疾患の既往がある患者さんの二次予防としての脂質管理目標値はLDL-C< 100mg/dL、 TG<150mg/dL、 HDL-C≧40mg/dLと記載されています。

冠動脈疾患を有する患者の LDL-C値について

冠動脈疾患を有する患者の2次予防としての脂質異常症の治療薬としては大きくスタチン製剤、 非スタチン製剤に分けられ、それらの薬剤を単剤もしくは多剤と組み合わせて治療を行うことが一般的です。

しかし、 2次予防2として3ヶ 月以上スタチン製剤を内服中の患者さんでLDL-C値が目標を達成しているのは約62%であり、3 人に1人 (37.6%)は目標値に届いていません。

また、15人に1人(6.4%)は LDL-C≧ 140mg/dL、 30人に1人(3.1%)は ≧160mg/dLと十分なコントロールが得られていないのが現状です。

では、 スタチン効果不十分の二次予防例における選択薬剤は?

米国心臓病学会 (ACC 2016)ではスタチンの効果が不十分な2次予防症例において、LDL-C低下率< 50%の場合には第1選択としてエゼチミズ、 第2選択として抗PCSK9抗体が推奨されています。

エゼチミブと抗PCSK9抗体について

食事から得られるコレステロールは約20%であり、残りの約80%は体内で合成されます。

従来の薬が肝臓でのコレステロール合成を抑制する薬が主であったのに対し、 エゼチミブは食事として小腸から吸収されるコレステロールに着眼しています。

小腸コレステロール輸送体を阻害することで、食事由来のコレステロール吸収を抑える作用を持っています。

また、肝臓に存在するLDL受容体がLDL -C 認識して肝臓内に取り 込むことでLDL-Cは分解されますが、家族性高コレステロール血症(FH)では遺伝的にLDL受容体やそれに関連する遺伝子異常によりLDL–Cを-取込めなくなります。

PCSK9はLDL受容体の分解に関わるタンパク質であり、PCSK9の働きを阻害することで肝臓内のLDL受容体の絶対数が増え、 結果としてLDL-C値が下がる効果に期待した薬剤が抗PCSK9抗体です。

冠動脈疾患予防の観点からLDL‐Cはどこまで下げるべきなのか?

本邦のガイドラインでは2次予防として 「LDL-C<100mg/dL」が目標値に設定されています。

しかし、LDL- Cと冠動脈疾患の発生率のメタ解析ではLDL-C:75~<100mg/dLでは冠動脈イベント発生率が14.2%であるのに対し、LDL-C:50~ <100mg/dLまで下げるとイベント発生率は8.8%と約1/2まで低下してきます。

既にヨーロッ パでは虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈形成術後のLDL-C目標値は70mg/dLと示されており、心血管イベント減少の為に「LDL-C<70mg/dL」でのコントロールが必要ではないかと考えられます。

日本でも、今後はより厳格な脂質コントロールが求められる可能性があります。

終わりに

冠動脈疾患とLDL- Cの関係、治療法について紹介させていただきました。

冠危険因子は脂質異常症を含め数多くありますが、 医療にて介入可能な各々のリスクに対して患者さん1人1人に合わせた治療法を提供すれば、 1人でも多くの患者さんの冠動脈疾患を抑制できると思います。

この記事を書いている人 - WRITER -
あなたの笑顔と健康のため検査のプロがお届けしています。 このブログは、医師・看護師・管理栄養士・診療放射線技師などから助言をいただきながら運営しています。
詳しいプロフィールはこちら

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Copyright© 笑顔と健康の架け橋 , 2018 All Rights Reserved.