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小児の「かぜ」の治し方について

 
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今回は、小さなお子さんがおられるお母さんや小さなお孫さんのおられる方に読んでいただきたい内容で、小さなお子さんの「かぜ」と「かぜ薬」についてズームインしてみます。

お母さんのいない診察室の中では?

病院を受診して、検査になるとお母さんは外に出されてしまいます。その診察室の中ではどんなことが行われているのでしょうか?

まず、看護師さんが慣れた手つきで採血をして、小さな滅菌された綿棒を喉や鼻に入れて検査に提出します。この検体採取も臨床検査技師が行っている施設があります。

インフルエンザ検査をされた方ならわかると思いますが、綿棒で鼻の奥を擦る検査で気持ち悪いやら痛いやらの検査ですね。

ウイルスや細菌について

「かぜ」は、ウイルスや細菌によって鼻腔や咽頭が炎症を起こして、咳、咽頭痛、鼻水、鼻づまりなどの症状や発熱、倦怠感、頭痛などの症状が現れます。

そんな「かぜ」の原因になるウイルスや細菌には、どんなものがあるかご存知でしょうか?

一般に「かぜ」の原因になるウイルスや細菌は200種類以上あり、その原因を特定できないことが多いとされていますが、RSウイルス・ライノウイルス・溶連菌・肺炎球菌・アデノウィルス・インフルエンザ桿菌などが有名です。

また、小児の「かぜ」のほとんどはウイルスの感染によって引き起こされます。

ウイルス迅速検査と細菌検査について

提出された綿棒を用いて、私たち臨床検査技師の出番になります。アデノウィルスや溶連菌、RSウイルスなどは迅速検査キットで検査が行われます。一般に10~15分ほどで結果がわかります。

細菌検査では、提出された綿棒を「培地」と呼ばれる細菌が好む栄養がたくさん入ったベットに塗るつけて培養して、何の菌なのか、その菌に効く薬は何かを調べます。その結果がわかるのに3~7日は必要になります。

「えっ!そんなに時間がかかるの」って思われるでしょうが、細菌を培養して沢山増やさないと検査できないのです。

グラム染色について

ちなみに、最初に検査することは提出された綿棒をスライドガラスに塗り付けて「グラム染色」と呼ばれる方法で染色します。

細菌がいれば、顕微鏡で見ると丸い菌(球菌)や細い菌(桿菌)が、染色によってピンク色(陰性)と濃いブルー(陽性)に染まって見えます。

このグラム染色の結果から、細菌はグラム陽性球菌、グラム陽性桿菌、グラム陰性球菌、グラム陰性桿菌に分類することができます。

「かぜ」には対症療法しかないって?

インフルエンザウイルスにはタミフルなどの抗インフルエンザ薬が有名ですが、咳や鼻水を伴う発熱を生じる「かぜ」に対しては世界中どこを探しても有効な薬は今のところありません。

しかし、はちみつ、ヴィックスヴェポラップなどは有効な場合があるという報告はあります。ただし 、乳児へのはちみつ使用は絶対にやってはいけません 。

したがって、市販薬や病院で処方される薬は患者さんの症状を緩和する「対症療法」でしかないのです。

「かぜ薬」の正体は、「かぜ」自体を早く治す作用はなく、症状を抑えいるだけなのです。熱があれば熱を下げる、喉がいたければ痛みを緩和するといった感じです。これは大人の「かぜ」にも当てはまります。

ただ効いたようにみえるだけで、実は薬を服用している間に自分自身の免疫の働きで「かぜ」が自然に治ることが多いので、「かぜ薬」が効いて早く治ったように思えるだけなのです。

また、市販薬には様々な成分が含まれていますが、その分副作用の可能性は高くなりますので、アメリカでは小児への使用は禁止の勧告が出ているほどです。

発熱や鼻水は治るサイン?

発熱は免疫機能が働いてウイルスをやっつけようと しているサイン、咳は気管支に入つてきたウイルスや痰を出すための働き、鼻汁は鼻に入ってきたウイルス や細菌を流しだす働きがあります。

もしかすると、「かぜ薬」を服用することは、せっかくの免疫反応を抑え、 病気自体を長引かせるかもしれません。

そこまでなくとも、薬には一定の確率で副作用やアレルギーがあるので、お子さんでの使用は最低限に抑える必要があります。

クループ・中耳炎・肺炎・喘息は早めに受診をする

一番厄介なのは、クループや中耳炎、肺炎、喘息など重篤な状態になりえる病気の症状が「 かぜ」症 状であるということです。

これらを自宅でお母さんが見分けるのはかなり難しいと思われますので、以下のサインをお子さんが出していたら迷わず、必ず、早めに病院を受診してください。

  • 3カ月未満のお子さんの発熱、夜間でも受診してください。
  • 乳児で哺乳量が減つてきている場合
  • 息が苦しそうな場合で、熱が高い場合には解熱剤を使用してもよい
  • 咳のせいで眠れない、飲めない、せき込んで吐く回数が多い
  • 耳をさわる、痛がる、機嫌が悪い
  • その他、いつもと違う

まとめ

小児の「かぜ」は、ウイルスが引き起こすことがほとんどで、特効薬はなく「対症療法」です。

クループ・中耳炎・肺炎・喘息などは重篤になることがあり、「かぜ」症状に似ていますのでお子さんの出すサインをよく見て、早めに受診されてください。

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