100点満点の輸血ってどんだけ~!!

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輸血について

今回は、輸血についてお話させていただきます。

輸血療法の目的について

輸血療法の目的は、血液中の赤血球・血小板・凝固因子などの量が減少または働きが低下したときに、その成分を補充することにより病気によって引きおこされている症状の改善を図ることにあります。

しかし、輸血には一定のリスクがあることからリスクを上回る効果が期待されるかどうか十分に考慮して適応を決める必要があります。

輸血で補充できる成分は、赤血球・血小板・血漿成分・凝固因子です。それぞれの症状にあった輸血用血液製剤を選んで輸血するようになります。

赤血球について

赤血球は赤く円盤のような形をした細胞で、肺から酸素を取り入れて体の隅々まで運びます。赤血球が足りなくなると貧血になって脳や心臓などに酸素がいかなくなり生命に危険を及ぼします。このような時には、赤血球製剤を輸血するようになります。

血小板について

血小板は赤血球の5分の1ほどの小さな細胞で、出血したときに傷口をふさいだり、血管壁を補強して血液が漏れ出さないようにします。血小板が減少すると、内出血したり、出血が止まらなくなったりします。大量に減少すると脳出血や消化管出血など大出血をおこして命にかかわることもあります。このような時には、血小板製剤を輸血するようになります。

血漿について

血漿は、血液から赤血球、白血球、血小板などの細胞成分を除いた淡黄色の液体で、凝固因子という血液を固まらせる物質がたくさんあります。なんらかの原因でこの凝固因子が足りなくなると出血が止まりにくくなり命にかかわることもあります。このような時には、新鮮凍結血漿を輸血するようになります。

副作用・合併症について

輸血をおこなった場合には、輸血副作用や合併症というリスクが発生することもあります。

  • 溶血性副作用(輸血した血液と自分の血液がけんかをして赤血球が壊れてしまう)
  • アレルギー反応(発疹・かゆみ・発熱など)
  • 呼吸不全
  • 細菌感染
  • ウイルス感染
  • 循環過負荷(輸血によって心臓や循環器系に負荷がかかった状態)
  • 鉄過剰症(頻回輸血で赤血球に含まれる鉄が体内に貯まってしまう)
  • その他

輸血後感染症については、日本赤十字社の検査技術などの向上により年々安全性は高くなっており、世界トップレベルの水準ですが、感染初期の献血者では検査が陰性になり危険性を完全にゼロにすることはできません

 

また、検査がされていない肝炎ウイルス、サイトメガロウイルス、クロイツフェルト・ヤコブ病や未知の病原体などに感染する可能性は否定できません。

輸血後感染症・生物由来製品感染等被害救済制度について

そのため、各医療機関では輸血をした記録を20年間保管輸血前検体の保存なども義務付けられていますが、早期発見のためにも輸血をおこなってから3カ月が経過したら輸血後感染症の検査をお勧めいたします。

 

また、輸血によって輸血後感染症を発症した場合には「生物由来製品感染等被害救済制度」を受けることができます。これは、輸血や血漿分画製剤の使用により感染症にかかり健康被害を受けた方の救済を図るためのものです。

輸血の検査・輸血の観察について

輸血の前には、血液型検査・交差適合試験という検査をおこなって患者さんに適合した輸血用血液製剤を輸血することになります。そして、輸血前・輸血中・輸血後には、血圧や体温をはじめ16項目のチェックをして患者さんの状態を確認しています。万が一、不足の事態がおこった場合には万全な体制で治療にあたりますのでご安心ください。

終わりに

輸血のことを少しでも分かっていただけたでしょうか。輸血療法を受けられる時には、信頼のおける医療機関で輸血されることをお勧めいたします。